3/29/2023 

★特集第2回目パート2: 新しい法人の銀行口座開設は難しくなっている!?
2-2. シンガポールで開設可能な銀行リスト
こんにちは。ナビゲーターふみえです。
前回、新しい法人の銀行口座開設が厳しくなってきている現状と理由についてお話ししました。
シンガポールで法人を設立する際、労働ビザの取得が難しくなっている問題については以前から取り沙汰されており、その難しさについては皆さんよくご存じだと思いますが、銀行口座開設も難しくなっている状況についてはまだ認知が低いように思われます。法人設立が完了し、いざ事業を開始しようという時に銀行口座がなくて困った!という状況にならないよう、労働ビザ取得と同様、十分な準備をしてから挑みましょう。
パート2では、シンガポールで口座開設可能な銀行リストをご紹介いたします。口座開設可能と言っても、繰り返しとなりますが、事前準備がないといきなり窓口で口座仮設!という流れにはならないので、ご注意くださいね。

◆シンガポールにおける、銀行の定義
現在、シンガポールのMAS (Monetary Authority of Singapore: 日本の金融庁のような機関) にて、金融機関(Financial Institution)として届けられている会社は205社あります。
そのうち、いわゆる通常の(預入れや決済機能を持つ)「銀行」の役割を果たしているものは、主にLocal Bank (6行)、Qualifying Full Bank (10行)、Full Bank (20行)の計36行が該当します。
1. Local Bank: シンガポールで設立されたシンガポールの銀行です。
2. Qualifying Full Bank: シンガポールで事業を行う海外銀行です。合計25か所まで拠点を設けることができ、Local Bankと共同してキャッシングサービスを行うなど、制限がかなりあります。
3. Full Bank: Full Bankは、シンガポールの銀行法に基づき認可された銀行で、預金や小切手の取り扱いを行ったり、その他、MASによって定められている業務を行うことができます。
<参考>MAS: Types of Deposit-Taking Institutions.
https://www.mas.gov.sg/regulation/Banking/Types-of-Deposit-Taking-Institutions

◆シンガポールで法人口座開設ができる銀行は⁉
さて、それではシンガポールで法人の銀行口座開設ができる銀行をご紹介いたします!
(2023年2月現在、弊社調べ)

【シンガポールローカルバンク】
◆DBS銀行 銀行: 22年12月連結決算で過去最高益を記録するほどの勢いのある、東南アジア最大級の銀行です。最先端のデジタル技術を率先して導入している銀行としても有名です。
DBS銀行での法人口座開設は、窓口対応が基本です。Marina Bay Financial センター内にある本店に行き、口座開設を実施します。まずはオンラインで申込み、その後本店訪問という流れですね。過去の経験から言うと、口座開設の対応自体はしっかりしており、流石、シンガポールのTOP銀行!というサービスを提供しています。
〈DBS銀行口座開設時の必要書類一覧〉
https://www.dbs.com.sg/iwov-resources/forms/sgsme/en/day-to-day/accounts/business-account/account-opening-checklist.pdf
但し、TOP銀行であるが故に銀行業界全体の影響を受ける事も特徴の一つでしょう。前回の「特集第2回目パート1」でも述べたように、「非居住者」保有法人の口座開設に対するコンプライアンスコスト増が経営に大きな影響を及ぼすため、様々な手段でコンプライアンスコスト削減を積極的に行っています。例えば、口座開設後のお客様に「Annual Review」と称する(口座閉鎖を前提とした)取引内容確認を行い強制的に口座を閉鎖したり、または取引内容確認もなく「2週間後に口座閉鎖をします」という通知のみで、口座閉鎖が行われることもあります。よって、現時点では、小規模取引を前提とした「非居住者」法人の口座開設は困難と考えるべきでしょう。
◆OCBC 銀行:OCBC銀行も原則的にはDBS銀行と似ています。但し、コロナ渦での対応としてZoom等のビデオ会議でパスポートを確認し、それを本人確認とする対応を行っており、窓口に訪問しなくとも口座開設は可能です。審査自体はDBS銀行と同様の対応と考えておいた方が良いでしょう。
〈OCBC銀行口座開設時の必要書類一覧〉
https://www.ocbc.com/assets/pdf/forms/account%20opening/docs-required-to-open-business-account.pdf
◆Citibank 銀行/ Standard Chartered 銀行/ HSBC 銀行
俗に外資系銀行と呼ばれるCitibank 銀行、Standard Chartered 銀行、 HSBC銀行は口座開設基準の改定等もあり、法人設立直後の口座開設には不向きです。但し、ローカルバンク(DBS銀行、OCBC銀行、UOB銀行)と比較して、為替取引や円やUSドル送金が多い事業については為替手数料に競争力があるため将来的には検討したい銀行です。
それぞれコーポレートバンクの担当者などが付く体制面では似ていますが、担当者に確認したところ、新規口座開設の条件として2~3年の決算書、自社オフィスを構えローカルスタッフが働いている現場があるかなどが開設の条件になるため、そこで新設法人は困難となります。
◆Maybank 銀行/CIMB銀行
MaybankやCIMB銀行などはローカル銀行業界ではTier2カテゴリーと呼ばれSMEなど中小企業対応を得意としています。6~7年前までは、オンラインバンクで残高確認しかできないなど、IT面で後手にまわっていましたが、現在では送金、為替、残高確認など、機能としてTier1 (DBS銀行、 OCBC銀行、 UOB銀行) に負けないシステムで利便性を高めています。
もともとマレーシア系の銀行のため、「非居住者」法人対応に慣れている点も「Tier2」銀行の特徴といえ、口座開設時の対応としても担当がつくため、事業内容などはしっかり説明をしながら進められます。
◆Aspire Bank:DBS銀行資本のネット銀行です。正確には「銀行」ではなく、決済サービス機関という登録ですが、ビジネスを行う上で必要なサービス(マルチカレンシー口座、送金サービス、各種支払い等)を提供できるため、第一候補の銀行口座が開設できなかった場合に備えて、Aspire Bankも候補に入れておくとよいでしょう。口座開設手順は簡単で、私が法人口座開設を行った際(2022年11月)は10日ほどで完了しました。
余談ですが、法人口座開設はNGだったのですが、口座開設の問い合わせに対して真摯に対応してくださった銀行を紹介しておきたいと思います。
◆GXS BANK [Local Bank]: タクシー配車、フードデリバリーで有名なGrabと通信会社大手のSingtelが共同で立ち上げた新しい銀行です。法人口座開設について問い合わせをしたところ、まだそのサービスは行っていないと回答がありました。今後のサービス拡充を期待したいところです。
◆BNP PARIBAS [Qualifying Full Bank]:まず電話で問い合わせをし、メールで事業内容等を送りました。その後、追加で会社情報が欲しいと依頼があったので、もしかして、、、と期待に胸を膨らませましたが、2週間後に、「社内で検討した結果、残念ながら~」と口座開設不可の連絡がありました。
◆THE BANK OF EAST ASIA LIMITED [Full Bank]:融資ができる会社であれば口座開設は可能、という回答がありました。融資ができるということは、決算書があり、しっかりとした会社という意味を含んでいるので、そのような会社なら法人口座開設は可能かもしれませんね。
◆Bangkok Bank [Full Bank] :メールでの問い合わせに対して電話連絡が1-2日でありました。シンガポール支店で口座を開いてもインターネットバンキングの取引ができないため、口座開設はやめたほうが良いとアドバイスをいただきました。
◆ICICI Bank [Qualifying Full Bank]:こちらも、メールでの問い合わせに対して電話連絡が1-2日でありました。インドの銀行だけに、インドの取引がある会社が主要顧客となるそうで、インド絡みの事業でない場合はLocal Bank(DBS銀行、OCBC銀行、UOB銀行)での口座開設をお勧めする、とアドバイスをいただきました。

【日系メガバンクシンガポール支店】
◆三菱UFJ銀行:日本で取引があることが前提で、取引のある支店から話を進めてもらうという流れになるようです。明確な数字等は確認できませんでしたが、取引量が将来的に増えるということが見込めることが望ましいようです。ご希望の際は、お取引のある支店でご確認をお願いいたします。
◆三井住友銀行:日本でメインバンクとして取引がある場合、1億円のデポジットを入れてもらえればシンガポール支店での口座開設が可能と言われたお客様がいらっしゃいました。いくら日本で取引があっても、海外支店で口座開設となると話は別、ということですね。
こちらもお客様の状況にもよりますので、ご希望の際は、お取引のある支店でご確認をお願いいたします。

さて、以上がシンガポールで口座開設可能な銀行リストとなります。いかがだったでしょうか。銀行口座開設って意外と面倒だな、と思われた方も多いのではないでしょうか。そこで、次回の特集第2回目パート3では、GPCで私たちが実際に行っている【攻略法】をお伝えしたいと思います。これで銀行口座開設をよりスムーズにできるよう、みなさん準備をしていきましょう!ぜひお楽しみに!

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