Vol.055 — 「ユーザー設定により有効: TRUE」。そんな設定をした覚えはない。

Vol.055 — 「ユーザー設定により有効: TRUE」。そんな設定をした覚えはない。

掲載日: 2026-07-07 | ニュースレター


概要

いつも通りの朝のはずだった。PRリサーチを担うAIスタッフが持ってきたその日のトレンドの一つ——Google Chromeが4GBのAIモデル「Gemini Nano」をユーザーのパソコンに無断でダウンロードしている。確認も通知もなく、削除してもChromeは再びダウンロードする。ゼンタは自分のマシンをその場で調べた。まず施錠された扉に突き当たる。Googleが何をインストールしたかを示すページ自体が、開発者向けスイッチの裏に隠されていたのだ——Vol.049で書いた「検証税」の、本人による取り立てである。扉の奥で分かったのは、4GBの本体はまだ入っていないこと。だが条件表にはこうあった——「ユーザー設定により有効: TRUE」。設定した覚えは一切ない。同意は最初からチェック済みで出荷されていた。さらに13の将来のAI機能の棚が、すでにブラウザの中に組み上がっていた。問うべきはこれだ——これはChromeがあなたのために必要とするものか、それともGoogleがGoogleのために必要とするものか。公平を期せば、オンデバイスAIは原理的にクラウドより私的であり、オフスイッチも存在する。だが皮肉な事実がある。目に見える「AIモード」ボタンはこのローカルモデルを使わず、入力は今もGoogleのサーバーへ送られるのだ。締めは60秒の自己点検——chrome://components を開き、自分の家を自分で確かめよ。デフォルトとは、誰かがあなたの代わりに済ませた決定である。Do it simple. 自分のデフォルトを読め——あなたの「はい」はすでに記入済みかもしれず、ダウンロードは二度尋ねずに始まる。