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知恵ぶくろアーカイブ

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4/14/2023 

西田4/14/2023 [最終的にどの国に対してのサービス提供なのかという点も留意しながらの組み立てになるためご注意ください。]について:
シンガポール法人で、シンガポールで法人税の申告納付をしていても、(また、いずれGST事業者となりシンガポールでGSTの申告納付をするとしても)サービスの提供が日本向けであれば法人として日本でも消費税申告の対象になりますでしょうか?
法人税の申告納付は日本では不要だと認識しておりますがそれも合っていますか?

Tomo様、五月雨で申し訳ないです。はい、シンガポールではS$1Million以上の売上で消費税登録企業に申請しなければいけません。但し、90%以上の取引が海外取引である場合、消費税登録の免除申請もできます。そのため、登録事業に関係なく会計・税務上は海外取引をZero-Rated取引として非課税対象(消費税課税をしない取引)として処理します。シンガポール法人として日本国内での法人税申告納付は不要です。但し、AmazonやAdobeのようなインターネット上の取引については
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/cross-kokugai.pdfにあるように、登録国外事業者に登録した上で、日本国内で納税代理人をたて消費税納税も可能です。現在、登録国外事業者は156社のため、こちらもある程度の規模感に応じて登録していくビジネス判断は必要との認識です。

4/14/2023 

西田4/14/2023 [「役務提供系」の取引について指摘があり、純粋なシンガポール法人に対するコンサルティング業務は非課税] について:
シンガポール法人が日本国内のお客様向けに行っているサービスに関する広告宣伝費のお支払い(紹介料、アフィリエイト報酬)についてはクライアントが受け取り時、日本側で課税、非課税どちらと判断されると思われますか?
また「コンサルティングフィー」としてではなく、シンガポール法人が日本国内のお客様向けに行っているサービスに関する「作業に対する報酬、顧客対応など」(外注費としてお支払い)はどのように判断されるでしょうか?
シンガポールの事業としては日本のお客様向けにサービスを提供していますが、シンガポール法人対外注さんの関係性として考えると、外注さんはシンガポール法人と契約してシンガポール法人へ役務を提供しているという風に考えられると思います。いかがでしょうか?

Tomo様、おはようございます。上記の取引はグレーです。
日本国内のお客様向けに行っているサービスについては、日本国内を源泉とする売上に、日本国内の外注先が対応するため、作業→最終的な売上が国外にでていません。そのシンガポール法人からの支払いを名目上「コンサルティングフィー」、「外注費」としても実際に役務提供している内容が重要なためです。最終的には、シンガポール法人に請求をする日本国内の個人または法人側に税務調査が入り結論がでるため、彼らの顧問税理士によるジャッジが適切なジャッジになります。作業場所が日本であればポイントは消費税になるため、消費税の取扱いに該当するかなどの確認を日本側の各個人や法人の顧問税理士に確認ですね。当社の日本側税理士であれば、各個人や法人の規模により消費税課税対象取引になると思います。あとはそのリスクがあるという認識を双方でもった上でビジネスリスクをとるかのジャッジになります。

4/14/2023 

越智さま
お返事をいただきありがとうございます。
参考になりました。
それではホテルや飛行機代、クライアントとの会食やビジネス目的の支払いに関しては法人から支給しているクレジットカードで決済(領収書要提出)、
それ以外の個人的な支払いに関しては84SGDx5日=420SGDの出張手当の中で賄ってもらう(渡し切り、精算なし)
という運用で問題なさそうでしょうか。

Tomo様、ご質問ありがとうございます。毎年、Acceptable Rateの変更がある事にご注意頂ければ、上記運用で問題ないかと思います。なお、クレジットカード会社発行のステートメントだけでは、税務上の証憑とは認められず、必ず領収書の保管を頂けますと幸いです。また、交際費に関しては、税務上、事業のための支出として取り扱うために、どこの誰をどういった目的で接待したか、またそれにより得られた収入があるかを問われる可能性がありますので、そういった詳細な記録も保管することが必要です。

4/14/2023 

お返事をいただきありがとうございました。了解しました。
また、こちらに付随する質問なのですが、
上記のようにシンガポール法人から日本の取引先の法人や個人へ支払いをした場合、
日本の受け取り側としては消費税は非課税の取引という認識で正しいでしょうか?
支払いの意味合いはコンサルティングフィー等になります。
インボイス制度に該当しない取引ということであっていますでしょうか?

Tomoさま、おはようございます。上記についてですが、インボイス制度は日本での個人・法人の届け出等により異なります。それぞれの日本側顧問税理士が正しくジャッジできます。また、情報シェアとしてですが、最近当社クライアントの取引先(日本)に税務調査が入り、「役務提供系」の取引について指摘があり、純粋なシンガポール法人に対するコンサルティング業務は非課税、同じシンガポール法人に対する他のコンサルティング業務(但し、シンガポール法人が日本国内のお客様向けに行っているサービスに関するコンサルティング業務)は課税対象という結果であったため、最終的にどの国に対してのサービス提供なのかという点も留意しながらの組み立てになるためご注意ください。

4/14/2023 

シンガポール法人での海外旅費規程の設定について質問です。
できるだけ仕訳作業を簡略化することが目的です。
下記の考え方で大丈夫ですか?
例えば5日間出張でタイへ行くとします。
往復の飛行機代とホテル代は会社で手配する。(本人との精算作業が不要になる)
出張者本人へはIRASの2023年度Acceptable Ratesを確認し、
タイの出張手当の1日のレートは
Thailand 84とのことなので、84 SGDx5日=420SGD を支給。
その中でクライアントとの会食や現地での細かい移動費、食事などビジネス、ビジネス外両方に関する費用を賄ってもらい、特に差額の返還はしない。その420の中での領収書の提出も省略。
この420は個人の所得税上は非課税であり、法人としては経費に計上できる。
または、その5日分の420SGDはビジネス目的だけのことが対象なのか、ビジネス以外の日当的な意味合いなのか。
日本とシンガポールでは出張旅費について少し解釈が違うようなので確認させてください。

Tomo様、ご質問ありがとうございます。Avic越智です。
上記、海外出張(クライアントとの打合せやトレーニング等)の際の日当は、一般的には、海外で発生する食事代、交通費、洗濯代等(海外出張がなければ発生していなかった特定の生活費や雑費)をカバーする目的の手当てという取り扱いかと思います。また、税務当局側もクライアントとの会食を当該日当でカバーする意図はありません。
2023年度にタイへの5日間の出張で、84SGDx5日=420SGDを支給した場合、ご理解のとおり、(特に差額の返還は行われず、領収書の提出がなくとも)個人所得税上は、非課税、法人としては経費(損金)となります。(もちろん、クライアントとの会食にかかる費用を交際費として処理する場合は、領収書が必要です。)なお、毎年国ごとのAcceptable Rateは変わります。

4/13/2023 

シンガポールの法人から日本在住の外注さんへ外注費を支払う場合についての源泉税について質問です。 源泉税はサービス提供等がシンガポール国内で行われた場合に課税されるということなので、その外注さんのサービスがシンガポール内では提供されておらず、すべて日本国内で提供されている場合はシンガポールでは源泉税の控除と納付は不要という認識であっていますでしょうか。

Tomo様、ご質問ありがとうございます。はい、その認識であっています。Non-Resident Professionalsへの税務処理についてはこちらをご参照ください。https://www.iras.gov.sg/taxes/withholding-tax/payments-to-non-resident-professional-(consultant-trainer-coach-etc-)/tax-obligations-for-non-resident-professionalIRAS | Taxable Income of Non-Resident Professionalswww.iras.gov.sg

4/11/2023 

★特集第2回目パート3: 新しい法人の銀行口座開設は難しくなっている!?
2-3. うちでやってる攻略方法
こんにちは。ナビゲーターふみえです。
それでは引き続き、「非居住者」が保有&経営するシンガポール法人の口座開設はどうすればよいのか? について推奨例を見ていきましょう。
2023年2月に実施した当社調査をもとに判断すると、やはり銀行取引の重要性と銀行側もビジネスとして「うま味」のある取引先を優先に対応することが理解できます。その上での、新設シンガポール法人の銀行取引をステップにわけていくと以下の流れが理想的と考えられます。何れにしても急がば回れではないですが、「王道」をいくのが基本です。以下はあくまで株主やシンガポールで実務執行する役員が「非居住者」であることが前提条件です。

STEP1: シンガポール法人 【新設時】
新設企業としては、銀行取引等がない状態からのスタートになるため、ネット系銀行や「Tier2」銀行(MaybankやCIMBなど)の口座開設をおススメします。「Tier2」銀行の世界的な位置づけを日本の銀行比較で解説しましょう。
金融機関としての銀行の安全性を図る基準の一つに「優良資産の残高」で測る手段があり、「The Banker」誌に発表された2022年度の世界ランキング(1,000位)を見ますと、
【日本の銀行】MUFG (12位)、SMBC(21位)、Mizuho(35位)にランクインしており、野村(証券グループ)(80位)、りそな銀行(100位)、信金中金(149位)と続きます。
【シンガポールの銀行】DBS銀行(59位)、UOB銀行(74位)、OCBC銀行(76位)
【Tier2:マレーシア系の銀行】Maybank(115位)、CIMB銀行(159位)、RHB銀行(263位)と続きます。
そのため、世界的に見た「Tier2」銀行は日本でいうりそな銀行~優良第1地方銀行の間に属すると言えるでしょう。まずは、スモールビジネスへの理解度の高い銀行からスタートし、そこで売上、支払いの取引実績を作りながら、次のステップへ進むことが王道と言えるでしょう。事業上はシンガポール金融庁のライセンスを持ち、国内送金、海外送金、オンラインバンキングサービス等は兼ね備えているため事業的な支障はないでしょう。
<参考>Top 1000 World Banks 2022
https://www.thebanker.com/Top-1000-World-Banks/Top-1000-World-Banks-2022

STEP2: シンガポール法人 【2期目の決算を終えてから】
STEP1で「Tier2」銀行口座開設後はシンガポール法人で、入出金・為替交換等の実績を作り、最低2年間の取引を終えた後、状況に応じてシンガポールの「Tier1」銀行の銀行口座を申請しましょう。既に決算書もあり、法人税の申告及び納税などの実績もできている状況のため「非居住者」シンガポール法人とはいえ実態のある事業の銀行口座申込みを断るのはなかなか至難です。
また、海外送金の多いシンガポール法人については、CitibankやStandard Chartered Bank のような外資系銀行も視野にいれるとよいでしょう。送金手数料や為替レートの優位性はシンガポールの「Tier1」銀行より優れています。これらの外資系銀行は、シンガポール国内に自社事務所を持ち従業員の雇用なども行っていれば、申込みをすることは可能です。

また、冒頭に申し上げた銀行にとり「うま味」となるサービスとして「為替取引」と「法人向けローン」があります。これは世界的に同じだと思います。黒字決算の場合は、法人向けローンの取引なども併せて行うと取引履歴もグッとプラスになり銀行側の見方も変わってくるでしょう。「Tier2」銀行の法人口座開設の担当者とミーティングをしていたところ、「今期のノルマはS$40Millionのローンで四苦八苦してます」と話していたくらいなので。

【番外編】銀行口座開設時によくある質問
Q:銀行提出用に事業計画は必要ですか?
A:最近はよく求められるため、必要です。
シンガポール新設法人の事業計画書は「必須書類」ではないですが、最近よく求められます。
そのため、銀行口座開設を準備する段階で用意しておく書類として
1) 会社概要(+シンガポールで展開する事業内容)
2) 事業計画(立ち上がり2年間)
は英語で準備をしておくとよいでしょう。これらは銀行提出用だけでなく、今後シンガポール法人でかかってくるコスト面を把握し、資本金を決定する材料としても有効です。当社でクライアント法人のために上記2点を作成することはよくありますが、作成している時のポイントをそれぞれ解説していきます。銀行員は以下を参考にして行内稟議書をあげていくため、より多くの「安心材料」を書いておくことが重要です。
1) 会社概要(+シンガポールで展開する事業内容)
・日本での売上規模、取引銀行(期間含め)、主力の事業内容及び取引先(シンガポールにある海外取引先があると尚ベター)、従業員数は必須です。
・日本の事業はライセンス等が必要なサービスであれば、ライセンス内容(認定機関)と保持期間
・シンガポールでの売上対象企業(候補先であってもシンガポール企業の名称が入っていると更によいです)
・シンガポールで同様事業を展開する類似企業(これは銀行員が事業内容を理解する上で重要です)
2) 事業計画書
・売上構造の説明ができるように。物販やリテール業であれば売上原価想定、法人向けサービスであれば1社あたりの平均単価想定、YouTube事業であれば配信対象国や広告収入(過去の推移含め)など、毎月の売上入金回数が何回+金額を最終的に提示できるようにしておくこと。
・また、売上通貨については想定で構わないため、日本円売上、USドル売上、Sドル売上など分けておくと、銀行側も為替取引ニーズを把握できるためベストでしょう。
・販管費はシンガポール従業員の採用計画(何人くらい雇っていくのか)から算出される人件費、家賃(自社オフィスを構える予定はあるのか)、外注先候補社名や社数に関しては、いくらくらいをどの通貨で送るのかを表現できるとよいでしょう。

決算書ほどの細かさは必要ありませんが、上記のポイントを表現した「簡易版」事業計画を作成しておくことはおススメします。当社で使用している事業計画書のサンプルを下記に載せておくので、細かさのレベル感を確認する参考になればと思います。

以上で、【特集第2回目: 新しい法人の銀行口座開設は難しくなってる?】
は完結となります。みなさん、質問等がありましたら遠慮なくチャットで聞いてくださいね。

2/27/2023 

★特集第2回目パート1: 新しい法人の銀行口座開設は難しくなっている!?
1. よく起きている口座開設時の問題は!?
こんにちは。ナビゲーターふみえです。
最近、「シンガポールでは新規法人の口座開設が難しくなっているんですか?」「シンガポール3大銀行から取引調査書が会社に届きました。どのように回答したらよいのでしょうか?」という問い合わせが増えています。この状況に驚かれている方も多いのですが、これは今に始まったことではない、というのが現場で常に新設法人の口座開設をしている私たちの印象です。

◆審査が厳しくなっている原因は?
皆さんも一度はお聞きになられたことのあるパナマ文書(報道があったのは2016年4月ですね)から始まった、外国の金融機関を利用した、国境を超える脱税を予防するための租税条約等で管理する共通報告基準(通称CRS: Common Reporting Standard)に従い、各国が順次「非居住者」に係る金融口座情報を自動的に交換する制度が開始されました。
日本では2017年1月1日から開始、シンガポールでも2018年から情報交換を本格的に開始しています。

ここでのポイントは「非居住者」のという点です。最初に申し上げた銀行口座開設が難しくなっている対象は「非居住者」が株主となっている新設シンガポール法人が中心なのです。現在、シンガポール国内3大銀行(DBS、OCBC、UOB)で、「非居住者」が株主となっている新設シンガポール法人の銀行口座開設が難しくなっているのは事実です。

非居住者は、納税という観点からはシンガポール国外での納税義務があるのですが、シンガポール銀行だけでは納税額の把握が難しいため、銀行の取引開始(口座開設)時にKYC(Know Your Customer)を行い、「そのシンガポール法人に税務上の事業実態はあるのか?」を確認します。この際の質問内容の具体例として、以下をリクエストされるケースがあります。
・シンガポール国内企業との契約書や請求書
・事業を行うオフィスの賃貸契約書
・スタッフとの雇用契約(及びスタッフの年金支給履歴等)
口座開設を申し込む側としては、「新設したばかりで、まだ銀行口座を開設していないのに、なぜお客様に対して請求書を発行できるのか?」「給与支払いのための法人口座がないのに、なぜ雇用契約ができるのか?」と鶏が先か卵が先かのような質問に当惑される方も多いと思います。しかし、これがシンガポール3大銀行の対応の多くを占めていることも事実です。そのため、大手銀行での「非居住者」が株主を務める新規法人口座開設は、銀行にとってのコンプライアンスコストが増え、経営上好ましくないため、過去に比べ、引き気味のスタンスであることは間違いないと言えます。

◆また、銀行担当者の質の低下も「厳しく感じる」原因の一つと実感しています。通常、口座開設時にはシンガポールで行う事業の説明をするのですが、その事業内容の理解力が、特にシンガポール3大銀行の担当者において、かなり落ちていると言えるでしょう。弊社で付き合いの長いUOBの支店長でさえも、為替取引の営業はするが口座開設はちょっと、、、という姿勢なので、優秀な人材は為替営業(これはまだ銀行にとってドル箱のようですね)や融資営業に配置されるのでしょう。
外資系シンガポール法人の口座開設はどうすればよいのか?
詳しい解決方法はパート2・パート3でご説明しますが、最近では法人設立時にシンガポール居住者を株主に設定し口座開設をし、その後株式譲渡(非居住者や日本の親会社に対して)をする手段が流行っていますね。
手続きが圧倒的に早く終わるため、有効な手段の一つと言えますが、銀行側も株主変更や役員変更登記情報を常にモニターしているため、銀行側のKYCがその後発生します。運よく銀行から質問がなかった、というラッキーな方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでもこの手段はその後銀行から新規口座開設と同様の質問を受け、そこで十分な回答ができない時は口座が閉鎖されるリスクを持つ、と十分理解してから進めるとよいでしょう。

パート2では、現在シンガポール国内で「法人口座」サービスを行っている銀行を網羅的にみていきたいと思います。

2/21/2023 

銀行法人クレジットカードの作り方
H Yamamoto様、お問い合わせありがとうございます。
銀行法人口座に紐づいたクレジットカードは大きく分けて3種類あります。
①Debit カード:一番作りやすく、どの銀行も発行しています。使用後直ぐに残高から引き落とされるため、利用金額上限は法人口座内の残高が上限となり、信用取引もないため審査も不要です。
② Secure Card: C6,000)を担保として銀行側がブロックすることで、上限S$10,000まで利用できるクレジットカードタイプのカードです。審査はありますが、比較的容易な審査内容になります。①との違いは、②はクレジットカードタイプなので、ホテル予約など一定金額を事前に確保をしておく取引でも使用できるところです。
③クレジットカード:ほとんどの銀行に取扱いがあります。銀行窓口での申請が必要となり審査もあります。一般的には過去2年分の法人納税証明、取締役会決議書などの必要書類を提出後に審査が開始されます。現在では外国人法人の審査が厳しくなってきているため、ビジネス上の用途を満たすのであれば、①か②が現実的だと思います。西田

3/29/2023 

★特集第2回目パート2: 新しい法人の銀行口座開設は難しくなっている!?
2-2. シンガポールで開設可能な銀行リスト
こんにちは。ナビゲーターふみえです。
前回、新しい法人の銀行口座開設が厳しくなってきている現状と理由についてお話ししました。
シンガポールで法人を設立する際、労働ビザの取得が難しくなっている問題については以前から取り沙汰されており、その難しさについては皆さんよくご存じだと思いますが、銀行口座開設も難しくなっている状況についてはまだ認知が低いように思われます。法人設立が完了し、いざ事業を開始しようという時に銀行口座がなくて困った!という状況にならないよう、労働ビザ取得と同様、十分な準備をしてから挑みましょう。
パート2では、シンガポールで口座開設可能な銀行リストをご紹介いたします。口座開設可能と言っても、繰り返しとなりますが、事前準備がないといきなり窓口で口座仮設!という流れにはならないので、ご注意くださいね。

◆シンガポールにおける、銀行の定義
現在、シンガポールのMAS (Monetary Authority of Singapore: 日本の金融庁のような機関) にて、金融機関(Financial Institution)として届けられている会社は205社あります。
そのうち、いわゆる通常の(預入れや決済機能を持つ)「銀行」の役割を果たしているものは、主にLocal Bank (6行)、Qualifying Full Bank (10行)、Full Bank (20行)の計36行が該当します。
1. Local Bank: シンガポールで設立されたシンガポールの銀行です。
2. Qualifying Full Bank: シンガポールで事業を行う海外銀行です。合計25か所まで拠点を設けることができ、Local Bankと共同してキャッシングサービスを行うなど、制限がかなりあります。
3. Full Bank: Full Bankは、シンガポールの銀行法に基づき認可された銀行で、預金や小切手の取り扱いを行ったり、その他、MASによって定められている業務を行うことができます。
<参考>MAS: Types of Deposit-Taking Institutions.
https://www.mas.gov.sg/regulation/Banking/Types-of-Deposit-Taking-Institutions

◆シンガポールで法人口座開設ができる銀行は⁉
さて、それではシンガポールで法人の銀行口座開設ができる銀行をご紹介いたします!
(2023年2月現在、弊社調べ)

【シンガポールローカルバンク】
◆DBS銀行 銀行: 22年12月連結決算で過去最高益を記録するほどの勢いのある、東南アジア最大級の銀行です。最先端のデジタル技術を率先して導入している銀行としても有名です。
DBS銀行での法人口座開設は、窓口対応が基本です。Marina Bay Financial センター内にある本店に行き、口座開設を実施します。まずはオンラインで申込み、その後本店訪問という流れですね。過去の経験から言うと、口座開設の対応自体はしっかりしており、流石、シンガポールのTOP銀行!というサービスを提供しています。
〈DBS銀行口座開設時の必要書類一覧〉
https://www.dbs.com.sg/iwov-resources/forms/sgsme/en/day-to-day/accounts/business-account/account-opening-checklist.pdf
但し、TOP銀行であるが故に銀行業界全体の影響を受ける事も特徴の一つでしょう。前回の「特集第2回目パート1」でも述べたように、「非居住者」保有法人の口座開設に対するコンプライアンスコスト増が経営に大きな影響を及ぼすため、様々な手段でコンプライアンスコスト削減を積極的に行っています。例えば、口座開設後のお客様に「Annual Review」と称する(口座閉鎖を前提とした)取引内容確認を行い強制的に口座を閉鎖したり、または取引内容確認もなく「2週間後に口座閉鎖をします」という通知のみで、口座閉鎖が行われることもあります。よって、現時点では、小規模取引を前提とした「非居住者」法人の口座開設は困難と考えるべきでしょう。
◆OCBC 銀行:OCBC銀行も原則的にはDBS銀行と似ています。但し、コロナ渦での対応としてZoom等のビデオ会議でパスポートを確認し、それを本人確認とする対応を行っており、窓口に訪問しなくとも口座開設は可能です。審査自体はDBS銀行と同様の対応と考えておいた方が良いでしょう。
〈OCBC銀行口座開設時の必要書類一覧〉
https://www.ocbc.com/assets/pdf/forms/account%20opening/docs-required-to-open-business-account.pdf
◆Citibank 銀行/ Standard Chartered 銀行/ HSBC 銀行
俗に外資系銀行と呼ばれるCitibank 銀行、Standard Chartered 銀行、 HSBC銀行は口座開設基準の改定等もあり、法人設立直後の口座開設には不向きです。但し、ローカルバンク(DBS銀行、OCBC銀行、UOB銀行)と比較して、為替取引や円やUSドル送金が多い事業については為替手数料に競争力があるため将来的には検討したい銀行です。
それぞれコーポレートバンクの担当者などが付く体制面では似ていますが、担当者に確認したところ、新規口座開設の条件として2~3年の決算書、自社オフィスを構えローカルスタッフが働いている現場があるかなどが開設の条件になるため、そこで新設法人は困難となります。
◆Maybank 銀行/CIMB銀行
MaybankやCIMB銀行などはローカル銀行業界ではTier2カテゴリーと呼ばれSMEなど中小企業対応を得意としています。6~7年前までは、オンラインバンクで残高確認しかできないなど、IT面で後手にまわっていましたが、現在では送金、為替、残高確認など、機能としてTier1 (DBS銀行、 OCBC銀行、 UOB銀行) に負けないシステムで利便性を高めています。
もともとマレーシア系の銀行のため、「非居住者」法人対応に慣れている点も「Tier2」銀行の特徴といえ、口座開設時の対応としても担当がつくため、事業内容などはしっかり説明をしながら進められます。
◆Aspire Bank:DBS銀行資本のネット銀行です。正確には「銀行」ではなく、決済サービス機関という登録ですが、ビジネスを行う上で必要なサービス(マルチカレンシー口座、送金サービス、各種支払い等)を提供できるため、第一候補の銀行口座が開設できなかった場合に備えて、Aspire Bankも候補に入れておくとよいでしょう。口座開設手順は簡単で、私が法人口座開設を行った際(2022年11月)は10日ほどで完了しました。
余談ですが、法人口座開設はNGだったのですが、口座開設の問い合わせに対して真摯に対応してくださった銀行を紹介しておきたいと思います。
◆GXS BANK [Local Bank]: タクシー配車、フードデリバリーで有名なGrabと通信会社大手のSingtelが共同で立ち上げた新しい銀行です。法人口座開設について問い合わせをしたところ、まだそのサービスは行っていないと回答がありました。今後のサービス拡充を期待したいところです。
◆BNP PARIBAS [Qualifying Full Bank]:まず電話で問い合わせをし、メールで事業内容等を送りました。その後、追加で会社情報が欲しいと依頼があったので、もしかして、、、と期待に胸を膨らませましたが、2週間後に、「社内で検討した結果、残念ながら~」と口座開設不可の連絡がありました。
◆THE BANK OF EAST ASIA LIMITED [Full Bank]:融資ができる会社であれば口座開設は可能、という回答がありました。融資ができるということは、決算書があり、しっかりとした会社という意味を含んでいるので、そのような会社なら法人口座開設は可能かもしれませんね。
◆Bangkok Bank [Full Bank] :メールでの問い合わせに対して電話連絡が1-2日でありました。シンガポール支店で口座を開いてもインターネットバンキングの取引ができないため、口座開設はやめたほうが良いとアドバイスをいただきました。
◆ICICI Bank [Qualifying Full Bank]:こちらも、メールでの問い合わせに対して電話連絡が1-2日でありました。インドの銀行だけに、インドの取引がある会社が主要顧客となるそうで、インド絡みの事業でない場合はLocal Bank(DBS銀行、OCBC銀行、UOB銀行)での口座開設をお勧めする、とアドバイスをいただきました。

【日系メガバンクシンガポール支店】
◆三菱UFJ銀行:日本で取引があることが前提で、取引のある支店から話を進めてもらうという流れになるようです。明確な数字等は確認できませんでしたが、取引量が将来的に増えるということが見込めることが望ましいようです。ご希望の際は、お取引のある支店でご確認をお願いいたします。
◆三井住友銀行:日本でメインバンクとして取引がある場合、1億円のデポジットを入れてもらえればシンガポール支店での口座開設が可能と言われたお客様がいらっしゃいました。いくら日本で取引があっても、海外支店で口座開設となると話は別、ということですね。
こちらもお客様の状況にもよりますので、ご希望の際は、お取引のある支店でご確認をお願いいたします。

さて、以上がシンガポールで口座開設可能な銀行リストとなります。いかがだったでしょうか。銀行口座開設って意外と面倒だな、と思われた方も多いのではないでしょうか。そこで、次回の特集第2回目パート3では、GPCで私たちが実際に行っている【攻略法】をお伝えしたいと思います。これで銀行口座開設をよりスムーズにできるよう、みなさん準備をしていきましょう!ぜひお楽しみに!